冬の歌(H.ネジャルコフ、中山知子)ハイヤハイヤ原っぱに…

唱歌・童謡

お待ちしておりました!

“ハイヤハイヤ原っぱに鈴の音ふりまいて” で始まる童謡「冬の歌」。曲名がフツーすぎて、歌だけ覚えて曲名が分からなくなりやすい歌のひとつだと思います。

ではまず、私がひとりで何人分かを担当して歌ったものをお聴きいただきましょう。もう4年前に録っており記録もないので、もはや何人分歌ったか覚えていません!

自分で言うのもなんですが、けっこう面白いでしょう?所々ハモりが悪いところがありますが、楽しかったことだけは覚えています。楽しいことが一番大事です!

この「冬の歌」については情報が少ないですが、以下にてクローズアップしていこうと思います。

原曲はブルガリア童謡「Зимна песничка」

作曲者はH.ネジャルコフで、作詞者はD.スパソフ。ふたりともブルガリア人です。ということは原曲はブルガリア語。曲名は「Зимна песничка」です。英語表記では「Zimna Pesnichka」。意味は、まんま「冬の歌」。

歌詞

Над смълчаните полета
пеят медени звънчета.
Писана шейна премина
бялата пъртина. 
 
Зън, зън, зън, зън,
бялата пъртина. 
 
Бягат кончета игриви,
мятат заскрежени гриви,
път из преспите се вие,
в селото се крие. 
 
Зън, зън, зън, зън,
в селото се крие. 
 
Къщички в снега се гушат,
а коминчетата пушат,
сякаш баби са запрели
пухкави къдели. 
 
Зън, зън, зън, зън,
пухкави къдели.

 【日本語訳(訳:ChatGPT)】

静かな野原で
蜂蜜色の鈴が鳴る。
装飾されたそりが
白い雪道を滑る。
ズン、ズン、ズン、ズン、
白い雪道を滑る。
元気な小馬たちが駆け、
霜をまとったたてがみを揺らし、
雪の中に道を作り、
村に姿を隠す。
ズン、ズン、ズン、ズン、
村に姿を隠す。
雪に包まれた小さな家々、
煙突から煙が立ち、
おばあさんたちが
ふわふわの羊毛を紡ぐよう。
ズン、ズン、ズン、ズン、
ふわふわの羊毛。

さすがにブルガリア語は学んだことがないので、ChatGPTに訳してもらいました。直訳ではなく、たぶんそこそこ意訳かと思います。 

いったい何の歌?

何の歌かと言われたら、冬の歌です!曲名どおりです!それ以上のことは調べてもよく分かりませんでした!

ただ、下記の動画ではクリスマステイストで演奏されています。

ほかにもクリスマステイストに仕上げられている動画を複数見つけました。日本はいざ知らず、ブルガリア等ではクリスマスの時期に歌われることが多いのでは?と推測します。

具体的なクリスマスの描写はありませんが、クリスマスにぴったりの情景ではあると思います。曲調も明るく、クリスマスを盛り上げるにはちょうど良いでしょう!

中山知子訳詞の「冬の歌」

日本では、童謡詩人の中山知子さんによる訳詞で歌われることがあります。1971(昭和46)年12月から翌年1月、NHK『みんなのうた』にて東京放送児童合唱団が歌ったようです。

その後音楽の教科書にも載り、ネット上ではこの歌を懐かしむ人たちも見られます。私も小学生の頃に歌いました。1番の歌詞とメロディーだけなんとなく覚えていて、曲名は長らく忘れてしまっていました。

歌詞については冒頭の動画でご確認いただきたいですが、やはり印象的なのは “ハイヤハイヤ” と “ズンズン” です。”ハイヤ” はかけ声で、”ズン” は擬音語や擬態語でしょうか。ノリが大事で、あまり深い意味はないと思います。

ブルガリアってどんな国?

ブルガリア、正式にブルガリア公国といいます。ヨーグルトのイメージがありますが、いったいどんな国でしょう。

歌が生まれた街は、東京より少し寒い

「冬の歌」が生まれるほどだから、冬はめちゃくちゃ雪が降るのだろうと思いました。寒いところだと、冬はマイナス40℃くらいまで下がり、暑いところだと、夏は40℃を超えるような国です。

ただ、作曲者のH.ネジャルコフが生まれた首都・ソフィアでは、夏の暑いときでも25〜30℃くらいで、冬の寒いときではマイナス5℃前後のようです。冬の平均気温はわずか数℃らしい。東京と比較すると、夏はけっこう涼しい。冬も東京よりかは少し寒いですが、思ったより暖かい(あくまでソフィアの場合)。冬は雪がけっこう降り、1月がピークだそう。年間平均積雪量は90cmくらいらしい。

ちなみにH.ネジャルコフは、「冬の歌」作曲当時、ブルガリア国立ソフィア少年少女合唱団の指揮者だったそうです。

一方、作詞者のD.スパソフが生まれたプレヴェンの気温も、ソフィアとそう大きく変わりません。なお、D.スパソフの死没地はソフィアです。

※上記はあくまで現在の気候です。歌が作られた当時はもう少し違っていたかもしれません。

ヨーグルトの発祥地?

ブルガリアはヨーグルトというイメージがありますが、実際にヨーグルトの消費量が多いようです。ブルガリアを含むバルカン半島は、ヨーグルトの発祥地とも認知されています。

ちなみに、明治ブルガリアヨーグルトは、製法と商標がブルガリア公認だそうです。が、味はブルガリアのものとは少し異なるみたいです。

スパイ扱いされた作詞者

Wikipediaで、作詞者に関するページ「Димитър Спасов (писател)」を見てみたら、こう書いてありました。

Текстът на песента „Зимна песничка“ („Над смълчаните полета…“) по музика на Христо Недялков се изпълнява на всеки концерт на Детския радиохор. Известна е и на детските хорове в Япония. Авторското право, получавано от Япония става причина и за обвинението, че е японски шпионин, което завършва благополучно за Димитър Спасов.

【日本語訳(訳:ChatGPT)】

歌詞「冬の歌」(「静かな野原の上に…」)は、ヘリスト・ネデヤルコフによって作曲され、子供のラジオ合唱団のコンサートで毎回演奏されます。また、この歌は日本の子供の合唱団にも知られています。日本からの著作権収入が原因で、作曲家ディミタール・スパソフが日本のスパイだと非難されたこともありましたが、この事件は最終的に無事に解決しました。

※ヘリスト・ネデヤルコフとは、作曲者H.ネジャルコフのことです。

この話の信憑性は分かりかねますが、なんだか気の毒な話です。興味がある方、かつ、ブルガリア語に強い方は、下記のページとかもご覧になってみてください!
Хайде да помислим – Мястото на поета (「考えてみよう – 詩人の場所」)

勘違いされた主旋律

最後に音楽的なお話です。

日本で知られている「冬の歌」は、”まっしろなみーち” のところでキレイにハモっているものが有名です。ピンとこない方は冒頭の動画で確認してみてください。

人間というのは、高い音と低い音が同時に鳴っている場合、高い音のほうがどうしても耳についてしまいます。そのため、この歌についても上のパートが主旋律に聞こえるかもしれません(主旋律とは主役のメロディーのことです)。

しかし、その “まっしろなみーち” についていえば、下のパートが主旋律なんですよね。本記事の中間で掲載した原語の動画で聴いていただくと分かりやすいと思います。

世の中の多くの歌は上パートが主旋律であるケースが多いですが、たまに逆転しているのですよね。また、歌によっては、上と下が代わる代わる主旋律を担うこともあります。

今回はこれにておしまい。

最後に「冬の歌」を3時間耐えてください!

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