森の小さなレストラン(御徒町凧、森山直太朗 ほか)ドングリを辿っても着きません

唱歌・童謡

お待ちしておりました!

令和になってからの新しい歌にも、童謡のように親しみやすいものがあることを改めて実感させられました。

その歌こそ、2023(令和5)年にNHK『みんなのうた』で発表された「森の小さなレストラン」です。今回私なりの見解などを述べていきたいと思います。

その前にまず、私が歌ったものをお聴きください♪

ジブリでデビューした手嶌葵さん

2006(平成18)年に公開されたジブリ映画に『ゲド戦記』がありますが、「森の小さなレストラン」は、当該映画の「テルーの唄」でデビューを飾った手嶌葵さんの持ち歌です。鳥のさえずりのような愛らしい声が特徴的ですね。

私が歌ったものは、やはり男であるということからも、全体的に重く感じられたかと思います。家の者から「1オクターヴ上げて歌ったら良かったのに」と言われましたが、それだとハードルが上がるんですよね。

テーマは〈死〉?

この歌の謎とするところは、やはり歌詞が描いている世界観です。

唐突に出てくる “お墓”

それを特徴づけているのは、最後のほうで唐突に出てくる “お墓の中まで届けましょう” という歌詞。かわいらしいおとぎ話だなあと思って聴いていると、突如お墓が出てくるのです。

作詞者の解説がない(あるいは私が知らないだけかも)なので憶測でしかありませんが、きっとこの歌のテーマは〈死〉なのだと思います。

その前提で再度はじめから聴いてみると、初めて聴いたときとは全く違った捉え方になります。すべてが怖く感じられるというか、宮沢賢治の「注文の多い料理店」を読んだときと似た奇妙な感覚を私は覚えました。

境目か、すでに死後の世界か

テーマが〈死〉だとすると、この歌が描いているのは、この世とあの世との境目か、すでに死後の世界なのか、どちらなのでしょう?このあたりは解釈が分かれそうですね。

私の作った動画では、この世とあの世の境目として解釈し、それに合わせたイラストを付けました。三途の川のようなイメージでしょうか、死の世界への入口のような感じですね。

予約がひとつもないレストラン

歌詞には “予約はひとつもありません” と出てきます。これを初めて聴いたときは謎なワードでしたが、〈死〉と結びつけたらイメージがわいてきました。

死というものは基本的に予約されていません。つまり、この歌のレストランは予期せずたどり着く場所であるということです。

デザートがないレストラン

歌詞の最後のほうには “カルパッチョ パエリア オードブル リゾット デザートはありません” と出てきますが、私の中でここの解釈がなかなか難しく、状況を把握することができません。

デザートがないとはどういうことか?

カルパッチョとパエリアとオードブルは存在しているのか?はたまたこれらも存在していないのか?

 “〜はありません” ということばが、デザートのみならず、これら3つも受けている可能性がありますよね(つまり、カルパッチョとパエリアとオードブルもない=食べ物は何もない??)。

でもその後の歌詞には “お墓の中まで届けましょう 今宵は最後のフルコース” と出てくるから、結局デザート以外のものはあるのか?

ことばっていうのは難しいですね。歌ならまだ良いのですが、もし仕事の連絡ともなれば、ことばの書き方に注意しないと、意図しない形で伝わってしまうことがありえます。

作詞作曲は、さくらコンビ

「森の小さなレストラン」は、作詞が御徒町凧さん、作曲は森山直太朗さんが手がけました。

この2人は、”僕らはきっと待ってる〜” の冒頭で有名な「さくら」を書いたコンビです。「さくら」自体は2003(平成15)年発表なので、もう20年以上になります。

私が歌ったものがあるので、ここでコーヒーブレイクがてらお聴きください♪

「森の小さなレストラン」と「さくら」を比較すると、ずいぶん趣が異なりますよね。同じ人が書いたとは思えない!その才能にビックリするというより、ファンタジックな感性もお持ちなんだなあとしみじみ思いました。

「さくら」は森山直太朗さんが歌っていますので、「森の小さなレストラン」も森山直太朗さんが歌ったものを一度聴いてみたいなあと思ったりします。

実は3拍子ではなく2拍子!

「森の小さなレストラン」は、耳にするだけだと、ズンチャッチャッ ズンチャッチャッ という3拍子の曲に聞こえます。日本人にはあまり馴染まない、ダンスをするかのような拍子ですね。

ところがです。

よく見てみると、この歌は2拍子といえるのです。

楽譜では6/8拍子=2拍子系

楽譜を見てみると、なんと書いてあったのは 6/8拍子( 8分の6 拍子)。私は思わず「え!3拍子じゃなかったんかい!」と声があふれ出そうになりました。

音楽理論的には、6/8拍子って実は2拍子系に分類されます。なぜ2拍子かというと、一小節中に6つの八分音符があるとしたとき、3つずつの2かたまりに分けて拍子を捉えるからです。

細かく数えると 123223 123223 …(以下続く) となりますが、大きく数えると 123223 123223 …となります。だから6/8拍子は2拍子系なのです。

テンポの速い曲や、速くなくても曲調等によっては、6/8拍子でも2拍子に聞こえます。オーケストラだと、指揮者も2拍子で振ったりします。

だけど、私には「森の小さなレストラン」は3拍子に聞こえますし、3拍子で歌いたくなります。ただ歌詞をよく見てみると、3拍子よりも2拍子(6/8拍子)で捉えたほうが、日本語がより自然になるようにも思います。

音楽って奥が深いですね!

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