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今回は、童謡「まつぼっくり」の解説をしていきましょう。とても短い歌ですが、絵本のようなかわいらしい世界観です。
まつぼっくりが
あったとさ
たかいおやまに
あったとさ
ころころ ころころ
あったとさ
おさるが ひろって
たべたとさ
秋の公園や遊歩道を歩いていると、そこら中にまつぼっくりが落ちていて、思わず蹴飛ばしたくなります。
ところで、まつぼっくりって一体何なのでしょうか?また、歌詞にあるように、猿は本当にまつぼっくりを食べるのでしょうか?
まつぼっくりの正体は生殖器官!?
まつぼっくりとは、松の球果のひとつです。球果とは、針葉樹がつくる胞子嚢穂(ほうしのうすい)のことで、性にまつわる器官です。特に、マツ目のマツ属やモミ属などの雌性球果(種子を生むメスの球果)のことをまつぼっくりと呼ぶようです。
松の花と呼ばれたりも
松の花といわれることもあるみたいですが、厳密には花ではなく、それっぽいやつだそうです。Wikipediaには下記のように説明がありました。
雌性球果(雌球花)は被子植物における花ではなく、花序に相当すると考えられている。これは、種鱗と苞鱗の維管束が互いに相対しており、種鱗は苞鱗の腋芽(シュート、短枝)が著しく短縮し変形したものと考えられるためであり、種鱗と胚珠が花に相当する器官とみなされる。
なんだか難しいですね。。歌にもなっているくせに、その正体はけっこう複雑な物のようです。
ただ、やはり名前のとおり、松の木から発生するという認識で良さそうです。まつぼっくりという呼称のほかにも、松かさといったりもする模様。晩秋の季語でもあります。
パイナップル=まつぼっくりだった!?
ちなみにパイナップルって、元々まつぼっくりのことを指していたそうですよ!パイナップル(パイン-アップル)を直訳すると松の果実です。しかし現在のパイナップル(植物名:アナナス)がまつぼっくりに似ているため、18世紀頃からアナナスがパイナップルと呼ばれるようになっていったらしいです。面白いですね!
猿はまつぼっくりを食べるのか
結論から言うと、猿はまつぼっくりそのものを食べることはないようです。ただし、その中に入っている種を食べることはあるみたいですね。
まつぼっくりは松の実(パイナップルの訳)ということからも、種子なる実が入っているのです。猿はまつぼっくりの皮を剥ぎ取り、その実をむさぼるというわけです。まつぼっくりはメスの球果。種子を持っています。
聞いた話を歌っているのか?
この歌の歌詞には “とさ” ということばが4つも入っています。これには引用や伝聞の意味があります。つまり、作詞者が直に見た景色ではなく、誰かから聞いた景色を歌っていることになります。
となれば、一体誰から聞いたのでしょうか?
小学生の男の子が書いた!が……
童謡「まつぼっくり」は、小学校の先生である小林つや江さんが、児童の書いた詩に曲をつけてできたといわれています。その作詞者こそ広田孝夫という人物です。
1936(昭和11)年当時、孝夫くんは小学1年生だったそうです。そんな幼い子が書いた歌詞ですから、伝聞なのか、そういう形式で詩を書こう的なものだったのか、はたまた先生の添削が入ったのか。
正直よく分からないというのが結論です。まあ、明らかになったところで特に得もないですけどね。
技術面で気を抜かずに歌おう
絵本のような世界を大切にして歌うには、いかに語るように歌うかが肝心です。
とはいえ、口先だけで歌っては、息が不安定になり、表現も乏しくなります。音域もそう高くないので、技術的な意識なしでは何を歌っているか分からなくなってしまいます。
技術的な意識とは、
- 子音を明瞭に発音する
- “っ” で一瞬声が消えるが、心の中ではきちんと歌い紡ぐ
- 次の息継ぎまでをひとつの山として大きく捉える
- “〜とさ” をノンレガートにし、伝聞らしさを出す
といったところです。
また、当然ながら大きな声は必要ないですが、響きを保つべくからだの支えを維持することも大切かと思いますね。


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