高校三年生(丘灯至夫、遠藤実)赤い夕日が校舎をそめて…

歌謡曲・演歌

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3月は別れの季節。今まで慣れ親しんだ学び舎を離れ、友人ともいつかの再会を約束する人。あるいは、大嫌いな学校とようやくおさらばできる喜びを噛み締める人。いろいろな卒業の仕方があることでしょう。

そこで今回は、舟木一夫さんの名曲「高校三年生」を取り上げます。まずは、手前味噌ですが、私が歌ったものをご紹介しましょう。

決して新しいとは言えない歌ですが、現代の子どもたちにも共感できる部分はあるのでは?と思います。曲調はなんとなく古めかしいかもしれませんがね。

では早速、歌謡曲「高校三年生」について掘り下げていきましょう!

デビューにて歴史的な大ヒット!

今の若い人たちに「高校三年生」を知っていますかと問うても、あまり反応は良くないでしょう。名前くらい知っているというのですら御の字です。

しかし、「高校三年生」は化け物級に大ヒットした、歴史的な名曲なのです。たしかに昭和の歌ではありますが、歌謡史に大きな爪痕を残したことは明らかであり、舟木一夫さんを出世させた作品なのです。

シングル発売1年でミリオンセラー

シングルレコードが1963(昭和38)年に発売され、1年で100万枚を超える売上を達成しました。

2018(平成30)年の米津玄師さんの「Lemon」は、発売から7ヶ月でダウンロード数100万を突破しました。ただ、ダウンロードのほうがレコードを買うよりも物理的な制約は少なく、心理的な負担も少ない。それにSNSもない時代。それを加味するとレコードでの100万枚がいかにすごいかが分かります。

そしてもう少し古いものだと、SMAPの「世界に一つだけの花」が発売2週目でミリオンセラーを達成しており伝説級ですが、「高校三年生」の頃の音楽市場規模を考えると、1年でのミリオンセラー達成も当時としては異例の快挙です。

なお、「高校三年生」のシングルは、累計230万枚を達成しています。

舟木一夫さんのデビューと出世

当時を生きていた人からしたらとっくに知っていることかと思いますが、私が最も驚いたのは、「高校三年生」は舟木一夫さんのデビュー曲であったということです。

デビューからしばらく経ってからならまだ分かりますが、デビューでミリオンセラーですよ!そしていきなり大きな出世です。「高校三年生」の凄さを思い知らされました。

なお、シングル発売年の第5回日本レコード大賞にて新人賞も受賞しています。

日本の歌百選の選定

2007(平成19)年には、文化庁と日本PTA全国協議会によって〈日本の歌百選〉のひとつに「高校三年生」が選ばれました。

〈日本の歌百選〉には、多くの人が知っている唱歌や童謡、抒情歌が多く選ばれています。全部で101曲あり、「高校三年生」は36番に当たります。

後の学校への影響

「高校三年生」がヒットしたとき、学校の校内放送で使われたりもしたようです。

今となっては、たとえば給食の時間のBGMに流行歌を使うのは当然の光景です。しかしこの「高校三年生」を起点に流行歌を流すことが当たり前になっていったと考えると、なかなか感慨深いものがあります。

私とシニア合唱団と「高校三年生」

私のエピソードで恐縮ですが、私ももう若くはないが昔の人間でもないので、「高校三年生」を初めて歌ったのは、大人になってシニア合唱団で賛助出演したときです。

それまでは、家にある抒情歌の楽譜に「高校三年生」が収録されていることは知ってはいたものの、どんな歌なのかピンと来ず、また歌おうとすら思わなかったですね。そして歌わなければならない日が来るとも思っていませんでした。

私が30歳くらいの頃ですか、シニア合唱団(そんな名前ではないですが、シニアの方ばかりだったのでそう表記しています)の指揮者から “テノールの人数が少ないから助けてほしい” と頼まれ、W.A.モーツァルトのミサ曲と日本の歌で構成されたコンサートに出演することになりました。そのプログラムに「高校三年生」があり、ついに歌うことになったのです。

でも不思議なもので、どこかで聴いていたのか、”ああこの歌、知ってる” という感覚でしたね。歌った覚えはないけれども、あまり苦労せずメロディーを歌えました(とはいえ合唱ではテノール所属だったのでヘンな旋律でしたけど)。

まわりのシニア世代の方々は、すごく生き生きと「高校三年生」や他の昭和歌謡を歌っていらっしゃいました。青春時代をいろいろ思い出されていたのだと思います。

発音は、ネンセー or ネンセーイ ?

「高校三年生」の歌い方で迷う箇所が1箇所あります。それは、まさしく “ああ 高校三年生 ぼくら” のところ。

コーコーサンネンセー なのか、コーコーサンネンセーイ なのか。

舟木一夫さんの歌い方

舟木一夫さんの歌っているのをすべて聴いたわけではないですが、コーコーサンネンセーで歌っています。少なくともシングルではそうです。

たしかに話し言葉ではコーコーサンネンセーとなりますから、舟木さんの歌い方は正しいです。むしろ自然と言えます。

真似する必要はない

ただ、私たちが歌うときは、舟木さんと同じにしなければならないことはない。”コーコーサンネンセーイ” と歌うこともあって良いはずです。

この問題は、童謡の「めだかの学校」でも起こります。”だれが生徒か先生か” をどう発音して歌うかという問題です。話すときは ダーレガセートカセンセーカで良いでしょうが、歌うとなると、発音が音符で引き伸ばされたりして、セーだとかえって間延びした感じがしてしまうことがあります。

「大きな古時計」でも起こります。”おじいさんの時計” の “時計” を歌うとき、トケーとするかトケイーとするか。でもこの歌では、”時計” の発音ひとつひとつに音が1つずつ当てられているため、トケイーと歌ったほうが自然ではあります。この論理だと、「めだかの学校」では、ダーレガセイトかセンセーカと歌うのが自然かもしれません。が、セイトとセンセーとで混在することになります。

このように、複数の視点から発音を考えて、自分にとって納得いく選択をすることが重要だと思います。話し言葉でもサンネンセーと発音する人とサンネンセイと発音する人、はたまたどちらともとれる曖昧な発音をする人がいますから、一筋縄にはいきませんね。癖のみならず、地域や世代も関係しているかもしれません。

 

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